• 梶原

【港区コミュニティを科学する③-1】曽我眞司


地域コミュニティづくりを専門とするCラボは、大阪市24区のうち10区の地域と行政をつなぐ中間支援組織「まちづくりセンター」を運営しています。

そのなかの一つである港区は、総務省のモデルコミュニティとしてレポートで紹介されたり、全国自治体学会で地域の市民活動ボランティアが発表を行うなど、地域自治の成功モデルとして全国から注目が集まっています。

【港区コミュニティを科学する】では、まちづくりセンター、区役所、地域のキーパーソンにお話を伺い、大阪市港区の「地域自治」の全容に迫ります。

【港区コミュニティを科学する①】金子明憲(ひとづくり)

【港区コミュニティを科学する②】田端尚伸(しくみづくり)

【港区コミュニティを科学する③】では、金子と二人三脚で地域活動協議会の発足に汗を流し、三方良しをモットーに、港区モデルの陰の立役者となった曽我にインタビューします。

曽我 眞司 そが しんじ

一般財団法人大阪市コミュニティ協会 港区まちづくりセンター アドバイザー

天職:日の本戦国時代、中国春秋戦国時代

信条:天の時、地の利、人の和

平成25年港区まちづくりセンター支援員、平成27年より同アドバイザー。

城を見ると、攻め方を考えます。地域のリーダーに出会うと、戦国武将に例えてしまいます。

歴史小説が好きです。特に戦国時代の物語には、人の機運、刻々と変化する状況、それに対処する知恵とめざす国造りの面白さがあると思います。

港区まちづくりセンター(以下、まちセン)は、行政から「地域の自律を促し支援せよ」という大義名分を与えられ、大阪市港区11の国の大名(地域活動協議会。以下、地活)に仕えております。

地活の発足と同時に、降って湧いてきたような我々「まちセン」です。武将でいえば重宝な秀吉として、認められなければなりません。

地域のキーマンは誰か。信長タイプか家康か、司馬遼太郎の『国盗り物語』ではないですが、立ちはだかる堅固な砦をどう攻略するのか思案しました。

と言っても、我々は国を盗るのではなく、地活・区役所・まちセンが三位一体となって、「自律」を獲るのです。

クライアントである行政の要望(地域の総意形成、会計の透明性、自主財源の獲得、人材の発掘など)を満たしながら、各地活の課題(高齢者・子ども・障がい者などが安心して暮らせる仕組みを作りたい、老若男女を問わず集える場を作りたい、まちの桜並木を守りたい、など)に応えることで、まちセンの存在意義も高まります。

また、相方が明らかに譲れないポイントを把握し、三者が良しとする落しどころを見極めながら、地域活動に取り組んできました。

11地活の地域性や状況、布陣は様々です。満遍なく均等に「自律」を図ることは困難です。

鐘を打てば響くがごとく、地域の課題解決に猛進する地活もあれば、ゆっくりと歩を進める地活もあります。

地活というプラットフォームを活かし、新たな事業展開を模索する地域には、こちらもあらゆる情報を収集し猛勉強しながら実践的なアクションプランを立て、共に熟考し伴走しました。

マイペースな地活に対しては、無理に布石を打とうとせず、例えばキーマンになりそうな若手の耳元で常にささやくなど、接し方にも工夫をしました。

「自律する地域にとって、自律を促す行政にとって、自律の援軍まちセンにとって」全て良しとなるように。

実は、このように各地活の「陣立て」に応じて備えにも工夫を凝らし、地域と行政をつなぐ、中間支援組織たるまちセンの本領を発揮すべき戦さ場で、心置き無く槍働きができるのも、ひとつの大きな「お墨付き」があったればこそ。

【港区コミュニティを科学する②】4まちセンのくだりで、田端尚伸前港区長が述べられた

“私は、まちセンには「地域に差が出てあたり前ですから、やる気のある地活はどんどん伸ばして下さい。地活の理解で立ち止まっている地域、どうしてもできない地域は、区役所がフォローします。そこは行政の仕事です」と伝えました”

その言葉を受け、ここに大義名分を得た我々まちセンは、逸る気持ちを抑えつつ一気呵成に攻めることなく、時を費やし地域に寄り添い、地域の思いを汲みながら、「地活の自律」を共にめざしていくことになります。

いつしか地活運営の支援組織「まちセン」から、地活のパートナーとなることを選び考える日々が訪れることに。

金子さんが築いた地活とまちセンとの「信頼のインフラ」を礎に、私は、まちセンに「専門性」を持たせていきました。

地活は大阪市において、唯一区長の認定を受けた準行政的機能を有する組織です。会計や運営面など認定要件を満たし、地域独自の課題解決に臨まなければなりません。

それには必ず課題攻略の武器「専門性」が必要となります。

港区まちセンは、アドバイザー1名、支援員3名で構成されています。

支援員はまちセンの顔です。

それぞれ3~4の地活を担当し、地活の自律運営や行事の開催等を支援します。

地域と密接に関わり、常にアンテナを張り、地活・区役所・まちセンが情報共有しながら、地域課題の解決策を検討しています。(つづく)

地活×行政×まちセン

How to make 三方良し

1. 大義名分を得る (行政のお墨付きをいただく)

2. どんな城? (地域をよく知る)

3. 武将はだれ? (キーマンを見つける)

4. どう攻める? (キーマンと連携する)

5. 手に槍、背には弓 (専門性を磨き、地活のパートナーになる)

取材・文:梶原千歳 

イラスト:阿竹奈々子

【港区コミュニティを科学する③】1 曽我眞司

【港区コミュニティを科学する③】2 孟子のことば

【港区コミュニティを科学する③】3 人の和

【港区コミュニティを科学する③】4 自他共栄

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