地域コミュニティづくり専門の研究室

大阪市都市コミュニティ研究室

06-6125-3311

© 2017 Osaka Community association.

  • 梶原

【地域×学校①】これからの「自治」の話をしよう


地域コミュニティづくりを専門とするCラボでは、学校コンサルタントとして活躍する前田健志さんをゲストに迎え、新しい教育について伺いました。前田先生のお話から、これからのまちづくりのヒントを探します。

Cラボが運営する大阪市港区まちづくりセンターは、“高等学校と地域が協働し、高校生が地域の産業や文化への理解を深めるための機会を提供することは、地方創生の観点からも重要”という地方創生へ向けた文科省等の政策の流れの中で、地域の次世代の担い手として高校生に焦点を当て、港区の地域活動協議会・高校・区役所と連携して、地域学校協働活動をスタートすべく動き始めました。

発端には、高校普通科の改革があります。

日本経済新聞 2019年4月18日

教育制度 多面的見直し

文科省は高校については生徒の7割が通う普通科を専門性の高いコースに分割する改革をテーマとしている。地域創生に貢献する人材を育成するコースや国際社会での活躍を目指すコースなどへの分割が想定される。

新たな学習指導要領では、“社会に開かれた教育課程”が唱えられ、「総合的な探究の時間」が創設され、“地域課題の解決等の探究的な学びを実現する取組”が推進されます。

また、新学習指導要領には、“主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の視点から「何を学ぶか」だけでなく「どのように学ぶか」も重視して授業を改善”することが謳われています。教員が一方的に教える授業から、教員が地域の大人たちとも協働する中で、子どもと双方向的なやり取りを通して学びを深めていくことが目指されています。

(“ ”は文科省HPより引用)

前田健志さん(35歳)

楽しい学校・教員コンサルタントSecond事業主として、国公私立の高校の外部アドバイザー等を務める。仮想の学校「平和町高校」教諭、金沢大学 非常勤講師。

子どもの頃から強制される勉強が嫌いだったが、障がいを持ちながら教員をしていた父親の影響と、世の中を目が輝いた大人たちで溢れる社会にしたいという思いから教職を目指す。香川県私立中高一貫校や金沢大学附属高校などで13年勤務した後、今年4月に独立。どの学校に入っても子どもたちが楽しく学べる教育にしたい、先生たちが持つ潜在能力を引き出したいと、「学校をもっと面白く」を信念に全国を飛び回っている。

楽しい学校・教員コンサルタントSecond

インタビュー

How to start 地域×学校プロジェクト

教育改革では「社会に開かれた教育課程」ということで、昨年8月に「地域との協働による高等学校改革の推進について」が通知されましたし、地方自治では学校・行政・NPO等との連携が今後ますます必須となる中、担い手自体の不足が叫ばれています。

こうした状況にあって、地域学校協働活動がコミュニティづくりのムーブメントとなりそうな予感がします。地域はどのように高校生の参画を促せばいいのでしょうか?

前田先生:

「地域連携しろ」って上から降ってきてやらされたら、生徒も先生も嫌じゃないですか。

堅い感じもするし。

う!

前田先生:

まずはお互いを知って楽しむところから始めないと上手くいかないと思います。金沢大学附属高校へ転職した時、石川県には一人も知り合いがいませんでした。仕事やプライベートでよく飲みに行く中で、色んなところでコミュニティができていきました。

そのうちに、附属高校の先生方とせっかくなら高校の地元で飲もうと、平和町の居酒屋へ行くようになりました。通ううちに、マスターと仲良くなり、常連さんと話が弾み、面白い人を紹介してくれたり。僕も、「一度授業に来て下さいよ。楽しい授業を心がけてるんで、来て思うことを何でも言って下さい。どんな意見でも拾ってみせます!」と誘って、地域の方に授業へ入ってもらいました。

昔は誰でも学校に出入りできたけど、今は厳しくなり学校のハードルが高くなってしまっています。まずはこのハードルを下げることから始めました。

高校生が地域に出ることしか考えていませんでした。それには、地域の防災訓練に関わってもらうのがいいのかなとか、盆踊りかなとか。

前田先生:

それもいいですが、なかなか生徒に火がつかないような気がします。

まだ堅い感じしませんか?

し、します!

前田先生:

授業に入ってもらって、クラスが盛り上がって、その後も「総合的な学習の時間」の地域課題研究の審査員になってもらったりして関係を築いていきました。それ以外にも、平和町のハロウィンイベントに生徒がお化け役で参加したり。

先日の平和町清掃には50人の生徒が有志で集まりました。ある程度ハードルを下げてあげることで、イベントへの参加率も非常に上がりました。子どもはイベントが好きですから。そうやってハードルを下げた後、一緒にできることを増やしていきました。

今年度からは、「平和町プロジェクト」で地元の人と生徒がチームになって、現実の課題と向き合い、課題を解決するというプロジェクトを楽しくやっていきます。地域の方には何かあった時、生徒を叱って頂いて大丈夫ですと伝えてあります。生徒にとっても地域の大人にちゃんと叱ってもらえるほうが勉強になりますから。

目からウロコです。ちなみに、平和町プロジェクトのコーディネートやファシリテートはどなたが?

前田先生:

附属高校にとっての外部人材にあたる僕がする予定です。コーディネーターやファシリテーターは第3者がいいですよ。何事も内部のみでやると、利害関係やプライドなどが邪魔して上手く進まなかったりします。僕も家庭はファシリテートできません…。

あ、ありがとうございました。(つづく)

取材・文:梶原千歳 

イラスト:阿竹奈々子

第2号 【地域×学校②】セコンド、探求する時間

第3号 【地域×学校③】関心の接点、○○を科学する

#自治 #教育 #インタビュー #地域学校