• 梶原

【浪速区×留学生】YOUは何しに日本へ?


住民基本台帳(平成31年3月末日現在)によると、浪速区の人口に占める外国人住民の割合は13%、およそ8人に1人が外国の方です。浪速区にあるARC大阪日本語学校では留学生が地域の盆踊りやもちつき大会、子ども食堂に参加するなど、住民との交流が深められています。

ARC大阪日本語学校 上谷崇之先生

2年ほど前に浪速区まちづくりセンターとのお付き合いが始まり、地域行事を学校内でお知らせするようになりました。

昨年は台風が多く、あらためて留学生が日頃から地域の方と交流し、顔見知りになっておくこと、何かあれば助け合える関係であることの大切さを感じました。

学校名の「ARC」は「世界の架け橋(ARCH)」という建学の精神を表しています。

本校の生徒が日本と母国の掛け橋になってくれることを願っています。

地域活動に参加するきっかけとなった浪速区まちづくりセンターとの出会いについてはコチラ。

【浪速区×留学生】まちづくりの始め方

ARC大阪日本語学校の留学生のウリさんとタクさんに、盆踊りに参加した感想や母国のことなどを聞きました。会話が弾み、質問が止まらず、あっという間の1時間でした。お二人のお話をまとめました。

ウリさん

Ulises Villanueva Arnaiz ウリセス・ヴィジャヌエヴァ・アルナイス

スペイン・パンプローナ出身、30歳

2018年1月来日

タクさん

翟怡秋 タク・イシュウ

中国・長春出身、27歳

2018年9月来日

Q 浪速区の大国盆踊りに参加してみてどうでしたか?

ウリさん

踊りの練習会では、先生や地域の方々が皆さん優しく教えて下さいました。10人ほどの留学生が練習に参加したのですが、分からない人には1対1でゆっくりとステップを見せてくれました。練習時間は90分あったので、河内音頭をマスターした後、江州音頭や炭坑節も習いました。当日はとても楽しく、皆で協力して盆踊り大会を開いていることが特に素晴らしいなと思いました。

タクさん

盆踊りに来ていた高校生に「踊らないの?」と聞くと、「恥ずかしい」と言っていたのが面白いなと思いました。若い人は照れてあまり踊らないんですね。屋台で食べたり飲んだりしていました。ギョーザや焼きソバが美味しくて、ギョーザは2人前買ってしまいました。盆踊りで仲良くなった地域の方々や高校生が、その後、日本語学校の授業にゲストとして来て下さっています。

Q日本に興味を持ったきっかけは何ですか?

ウリさん

私はもともと言語が好きで、マドリッドの大学で日本語を勉強していた友人が「日本語は面白いよ」と教えてくれました。子どもの頃、バルセロナやイタリアに住んでいたので、カタルーニャ語とイタリア語が話せます。イギリスで働いたこともあり、英語も勉強しました。日本語は綺麗な言語だなと思います。

タクさん

私は中国で日本のテレビ番組やアニメをインターネットで観て、日本文化に興味を持ちました。バラエティ番組の『VS嵐』や『月曜から夜ふかし』をよく観ていました。大阪弁で話す芸能人が面白くて、関西人は明るいんだなと思い、大阪の日本語学校を選びました。

Q 日本と母国、それぞれ好きな所や嫌いな所はありますか?

ウリさん

日本では、皆で協力して広場や道路のゴミ拾いをしていて、いいことだなと思います。私も浪速区の「ごみゼロ大作戦!」に参加しました。反対に、心斎橋で自転車でこけた時、誰も立ち止まってくれなくて冷たいなと思いました。スペインだったら、絶対に誰かが声をかけてくれます。日本人はシャイだから、他人に話しかけることを遠慮してしまうんですよね。ちょっともったいない。でも、スペイン人は自分の頭の中にあることを全部喋るので、時に相手を傷つけることもあるんですが…。

タクさん

長春の人は話しやすいけど、怒りやすい。中国北部の寒い地域だから情緒不安定なのかもしれません(笑)。日本のラーメンとご飯、お好み焼きとご飯、焼きそばパンという組み合わせは、ちょっと変です。それから、電話でお辞儀をすることも信じられませんでした。日本は、公共の場がバリアフリーで人に優しいなと思います。例えば、横断歩道には目の不自由な人のために音響装置がついていたり、バスは車椅子の人や高齢者のために車高が低くなるようになっていたり。

中国は食の安全が問題です。安全なものを食べたければ、アメリカ産や日本産を買わなければなりません。帰国する時には食べ物もお土産に買って帰ろうと思うのですが、漬物は持ち込めたんですが、味噌はダメでした。日本のお味噌汁が大好きなので残念です。中国でも味噌は炒め物などに使いますが、スープにする文化はないんです。

Q 日本語学校を卒業した後は、何をしますか?

ウリさん

ツアーガイドのアルバイトを月に1~2回しているんですが、卒業後も日本でツアーやホテルの仕事をしたいと思います。アルバイトでは、大阪の1日観光を案内しています。梅田からスタートして、大阪城で歴史を学んで、桜ノ宮、新今宮へ。新世界でお昼を食べて、道頓堀を散策して難波で解散、という感じです。家族で来られている旅行者を案内することが多いです。旅行会社でもっと研修を受けて、京都や奈良もガイドできるようになりたいと思います。

タクさん

私は日本の大学に進学して、日本文化、特に言葉の逆輸入について勉強したいと思っています。漢字は中国で生まれ日本に伝播しましたが、日本で作られた漢字が、中国でも使われています。例えば「素人」、もともと中国にはない漢字ですが、今は普通に使われています。「オタク」という言葉もそのままの発音で使われています。国名の中華人民共和国は、「中華」のみが元来の中国語で、「人民共和国」は日本の言葉です。とても面白いと思います。将来は翻訳者か通訳者になりたいです。

取材・文:梶原千歳 

イラスト:阿竹奈々子

#まちづくり #自治 #浪速区

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