• 梶原

【ドイツ×防災】大阪-ハンブルク青少年交流


今年で10年目となるハンブルク青少年消防団と大阪の子どもたちとの交流について、プログラムの企画運営を担う堀久仁子さんにインタビューしました。

堀 久仁子 ほり くにこ

大阪市青少年国際交流協議会 事務局長

一般財団法人大阪市コミュニティ協会 都市コミュニティ研究室(Cラボ)主任

自分のまちの防災を考える夏旅レポート

大阪-ハンブルク青少年交流 2019年8月13日~20日

今回の夏旅の忘れられないエピソードはありますか?

まずは、移動の車が消防車だったことですね。

訓練のため消防署に行くからと言われて外に出たら、道路に消防車が停まっていて「どうぞ」と言われました。もちろん、消防団の所有する車両なのですが、乗り心地はそんなに、というか、15分ほどで窓を開けました。

運転席の後ろは迎え合せに座席が配置されていて、消防団員の役割ごとに座る場所が決まっていると説明を受けました。はじめに入る人はドアのそばで、ロープや交通整理のためのツールがすぐ手の届くところに置かれており、真ん中の人は、はじめに入った人の持っている酸素ボンベの量をチェックするボードが置いてあります。無線で中に入った人と連絡を取り合い、決められたタイミングで確認する。残量によっては、戻るように指示を出すこともあるそうです。

あと、信号待ちで止まると、小さなこどもが消防車に向かって手を振ってくれるので、こちらも振り返していました。消防団のユニフォームも来ていない人が手を振るので、ちょっと不思議そうな顔はしていましたが。

やっぱりアルスター湖の遊覧船には乗れなかったこともエピソードに加えておきます。

ハンブルクの街の真ん中にアルスター湖というエルベ川をせき止めてつくられた人工湖を船に乗って遊覧するというプログラムがあり、船の上から見る町並みはいつもと違って見えるし楽しみにしていてね、と言われていました。

前回2017年の訪問時は、私が領事館に行かねばならない深刻な状況になってしまったことで乗れなかったので、今回は絶対ね!と言われていたのですが、参加者が着替えに戻らねばならない状況になってしまって。ハンブルクのみなさんからは、「また、ハンブルクに来なければいけない理由ができたわね」と笑っていただきましたが、3度目の正直を狙います。

淀川と似ているエルベ川の風景

大阪-ハンブルク青少年交流について教えてください!

ハンブルクと大阪市との間で行われている青少年交流プログラムで、ハンブルク青少年消防団と大阪の青少年が、学校や企業訪問、ホームステイなどを通じて交流しています。

2010年に11名が初めて大阪からハンブルクを訪問して以来、これまでに35名がハンブルクを訪れています。小学生(最年少は11歳)から大学生までが参加しており、中には3回訪問している子もいます。

大阪市には消防団がないのですが、2011年の東日本大震災をきっかけに、「ジュニア防災リーダー」の育成に関心を寄せる地域が出てきました。そこで、この青少年交流も「防災」と「まちづくり」をテーマに掲げ、取り組んでいます。

ハンブルクでは青少年消防団のメンバーと一緒に、大阪の子どもには、ドイツで行われている応急手当や消火訓練等に参加しています。ハンブルクの子どもには、あべの防災センターや津波高潮センター等の見学や小中学校を訪問し大阪で行われている防災訓練について学んでもらっています。

ハンブルク市では1967年から青少年消防団の活動が3つの地区ではじまり、現在では62か所で約1000名が参加している活動になったそうです。ここ数年でさらに人数が増えたようですし、5歳からの「ミニ消防団」という取り組みも始まったと聞いています。そういう点では、大阪も真似ができるといいのですが。

この交流を担うことになったきっかけは何ですか?

日本とドイツの青少年リーダーの研修事業で大阪を訪問された方の中に、ハンブルク青少年消防団のカイ・ウィンターさんが参加されていて、「大阪市とは姉妹都市なのだけど、青少年の交流事業がないので一緒にできないか?」と相談されたのが始まりです。

仲良くなったのにはもうひとつ理由があって、地下鉄の乗車券と観光施設の入場券などがセットになっていた観光チケットを使って大阪市内を回ろうと企画していたのですが、カイさんは「他の予定もあるので1日券は全部使わないからもったいないから買いたくない。でも、大阪城だけは入りたい」と悩んでいたので「大阪城は何度も行っているのでよかったら使いますか?」とチケットを譲ってあげたことがあって仲良くなりました。

大阪市とハンブルク市は、1989年に姉妹都市提携を結んでいたのですが、当時は、全然知らなかったのです。出会ったのは2008年で、ちょうど20周年がもうすぐというタイミングでもあり、周りの人にも面白そうだしやってみたらという人がいて始めることになりました。

ハンブルク市庁舎

北ドイツに位置する港町ハンブルク          エルプフィルハーモニー

ドイツは消防と教会の関係が深いと聞きました。なぜですか?

ハンブルクには大きな教会が5つあるのですが、その中でも一番古いと言われている聖ペトリ教会が消防団との関係の深い教会として毎回訪問しています。ヨーロッパのまちの形の一つとして、教会の周りに市場ができ、そして街が広がっていくという形があり、この教会もそのような形でまちの中心に建っています。

最近ではエレベーターのついている教会も多いのですが、この聖ペトリ教会は544段を階段で上がります。上がると123mという高さだそうで、そこからはハンブルクの街をグルっと見渡すことができます。かつてはこの場所から街中に煙が立っていないかを見張る火の見櫓の役割も果たしていたとのことです。

火災の現場には、牧師さんも向かうという話も聞きました。火災現場では自分の家財や家族を失ったり、助けに入ったけれども手の施しようがなかったりという現場に遭遇することもあるので、すぐに心のケアに入れるように向かうのだそうです。

来年はどんな交流にしたいですか?

来年はハンブルクのみなさんが大阪に来られる予定です。

これまで以上に市民が交流できる取り組みにしたいと思っています。特に、防災教育に取り組んでいる地域や活動のみなさんとコラボをしたいと思っています。

ホームステイ先も大募集します。

ハンブルクから来られるみなさんは、日本の和室に布団を敷いて寝ることとかお風呂とか、食べ物に興味津々で来られるので、大阪を紹介したいという方にはぜひご協力いただきたいです。

やっぱりドイツは好きですか?どんなところが?

ドイツには1999年の冬にはじめて行きました。

聞いていたよりはご飯もおいしかったし、ビールもワインもおいしかったです。

エコバックを持たずに買い物に行ってしまうと店員さんに睨まれてしまうし、日曜日になると基本的にお店は閉まってしまうし、ショッピングは大変だなと思いました。

当時は、ペットボトルが禁止されていて、ミネラルウォーターもジュースも、全部瓶入りで販売していましたし。

距離は遠いし、ドイツ語もわからないので、その時はもう行くことはないだろうと思っていたのですが、縁ができて何度も行くうちにどんどん好きになっています。不便なのも意味があるからでしょうか。短期間だから楽しめているだけかもしれませんが。

特にハンブルクは都会なのに緑が豊かで、公共交通が充実していて移動がしやすいなと思います。

まちづくりの考え方として「人間らしく生活できるかどうか」がポイントになっているそうで、緑の面積を減らさないので新しく家が建てられないとか、となりの家との距離が決まっているので、家が大きく若い人が都心に住めないということもあるようですが、人を重視している点は面白いと思います。

ドイツにも地域によって色々な特色がありますが、食に関してもバラエティに富んでいます。

日本でもおなじみのフランクフルトだけでなく、バイエルン州の白いソーセージ(ヴァイスヴルスト)やカレー粉とケチャップで味付けされたカレーヴルストというのもおいしいです。

あと、ハンブルクのように魚を良く食べる地域もあり、白身魚のフライだけでなく、ニシンの酢漬けをパンにはさんでサンドイッチにして食べることもあります。生の魚が挟まっているのはちょっと驚きましたが、案外おいしかったです。

個人的に次に行きたい国はどこですか?なぜ?

個人的には、アフリカ大陸と南米大陸の国には行ったことがないので、その中にある国に行きたいです。文明の発祥の地とか、シルクロードを辿りながら、食べ物も楽しみたいです。

取材・文:梶原千歳 

イラスト:阿竹奈々子

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