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  • 梶原

【飯山市】いいやま雪ざんまい


【飯山市】いいやま雪ざんまい

今年も長野県飯山市をPRする「いいやま雪ざんまい」が開催されました。

この企画は飯山プラスラボの主催です。

プラスラボは飯山市とその若者会議、市民交流姉妹都市である大阪市Cラボのメンバーで構成されています。お互いの資源、文化、知識をミックスした文化イベントを創造し、地域に新たな風を吹かせ、飯山の魅力を引き出すことを目的としています。

「いいやま雪ざんまい」は昨年はじめて開催され、今年で2回目となりました。

いいやま雪ざんまいチラシ

飯山市に隣接する山ノ内町は「温泉の猿」、野沢温泉村は「パウダースノー」が海外旅行客に人気です。飯山市は…、あるんです、いっぱい!

寄ってかし、見てかし、食べてかし!

2月初めの9日間、JR北陸新幹線 飯山駅に降り立つ旅行者の方々を、地元を挙げてもてなしま

いいやま雪ざんまい 駅編

~五感でたのしむ衣食住のおもてなし~

りんごキッズ

地元園児の「りんごキッズ」たちが改札でお出迎え。ウェルカム~!

一度改札を通り過ぎたオーストラリアの方が少しして戻って来られ、ちっちゃなコアラの人形を、りんごキッズが持つ小旗にくっつけてくれました。

ゆるキャラグランプリ第1位!長野県PRキャラクターの「アルクマ」。

信州をクマなく歩きまくり、信州の魅力を世の中にクマなく広めるのが生きがい、デス!

地元「みゆき野吹奏楽団」。構内に「ふるさと」が響き渡ります。

「ふるさと」は、高野辰之が故郷・飯山の豊かな自然風土を思い作詞しました。

音楽が始まると、あっ、ガラッと駅の雰囲気が変わった!(大阪市CラボAさん)

駅に坊主バー!

おすすめは「りんご熱燗」。僧侶があなたの煩悩に寄り添います~。

「幻の米」と言われる飯山産コシヒカリ。最高級特A米!

仏教信仰に篤い土地柄と漆塗りに適した気候から生まれた「飯山仏壇」。

市内には11軒もの仏壇店が軒を連ねる「仏壇通り」があるんです。

朝の気温は零下。

雪ってホントにしんしんと降るんだー。(大阪市CラボKさん)

飯山名物「きのこ汁」で温まってかし!

お出汁は昆布だけでとって、海外の方も食べやすいようにベジタリアン対応にしました。

炊きたてコシヒカリも食べていってね。

きのこ汁は100人前、作る時間も楽しかったな~。(飯山市役所Kさん、Sさん)

あっつあつで美味しい。飯山は初めてです。息子を連れてスキーに来ました。(上海出身)

飯山・野沢温泉で5日間スキーを楽しんで、その後、大阪・京都を観光し、最後に東京、成田へ。日本には3週間滞在する予定です。(オーストラリア・メルボルン出身)

ようやく雪が降ってくれて嬉しい。しかも到着したらきのこ汁のふるまいを頂けるなんて!(関東出身)

大人数なんですが、皆で食べていいですか?いただきます!(東京出身の学生たち)

アルクマもお邪魔しま~す。お味はいかがですか?

きのこ汁は大好評、お昼過ぎには完売となりました。

オーストラリア、中国、関東からのスキー客が多く、信越の玄関口「飯山駅」でほっと一息、歯ごたえのある大振りきのこに舌鼓を打ちました。

ふるまいをしながら会話も弾み、観光客を迎える玄関口は、ほっこりと思い出に残る飯山駅になってくれたでしょうか。

関東からのとある大学生は、「僕、昨日、ゲレンデで怪我して頭を縫ったんです。一人で先に帰ることになって、もう最悪だと思ってたんですけど、最後にここに寄れて、味噌汁やご飯、そして皆さんとお話できてよかった!」。

うん、うん。寄ってくれてありがとう。お大事に、また飯山に寄ってかし!

いいやま雪ざんまい なちゅら編

~五感でたのしむ衣食住のおもてなし~

飯山駅から徒歩5分、隈研吾さんが設計した飯山市文化交流館「なちゅら」。

なちゅらでは、昔ながらの雪国の民具「かんじきづくり」に挑戦!

速い、速い。かんじきを履いて深い雪のなかを果敢に進みます!(オランダ出身の男の子)

日本一ありがたい「らほつかまくら」も出現!(らほつ:螺髪、仏様の丸まった髪の毛)

大聖寺をはじめ近隣のお寺さんのご協力により、なちゅらで「禅道場」も開きました!

ガラス張りの空間で座禅体験。不思議な空間、でも意外と、集中できます!

写佛体験。たくさんある仏様の絵の中から一枚選んで、ゆっくりトレースします。

「お顔は最後に描いて下さいね。目を描く前に、呼吸を整えて願い事をして下さい。

では、トレースした仏様に魂を入れてきます(お経を唱える)。」

「中にはご自身が描いた仏様が入っています。ご自分の近くにお持ち下さい。」

写佛中に、涙を流す欧米の方もあったそうです。

寺のまち飯山

~大聖寺さんを訪ねて~

「いいやま雪ざんまい」期間中になちゅらで禅道場を開かれた大聖寺さんは、400年以上の歴史を持つ、飯山で最も古いお寺の一つです。なちゅらでの写佛は、仏さまをじっと見つめながら筆で線を描いていく、静かな静かな時間でした。

ほのかなお線香の香りと、読経の小さな声。写佛体験を終え、大聖寺さんをお訪ねしました。

右から大聖寺のご住職(30世)と副住職

仏教とは何ぞや、それは相手を思いやる心、慈悲の心です。社会も家庭も憂いが多い時代ですが、時代が変わっても人間は変わりませんから、人にはやはり心の拠り所が必要です。私たちは生きていく仏教を伝えないといけません。(ご住職)

永平寺へ修行に入る時、山門で「あなたは誰のおかげでここに立っているのですか」と先輩のお坊さんに問われました。「ご先祖様、両親、友人…」と答えた後、大聖寺で育ってきた私は「檀家さんです」と言葉を続けました。

2年間の修行は「お坊さんの修行」というよりも「人間の修行」だったと思います。「躾(しつけ)」は美しい身体と書きます。礼儀作法、長幼の序(長じたものは幼い者を慈しみ、 幼い者は長じたものを尊敬すること)、心があることは美しいことです。宗教心は人間を豊かにしてくれます。

座禅体験や写佛体験を入り口に仏の心を教え伝えたいと思っています。「いいやま雪ざんまい」では、禅道場を担当してくれた若いスタッフの方が1週間をともに過ごす中で、合掌の意味や禅にとても興味を持ってくれました。続けていくことが大事ですとお伝えしました。(副住職)

本堂の襖に書かれた山岡鉄舟の書。

山岡鉄舟は、勝海舟・高橋泥舟とともに幕末三舟(さんしゅう)と呼ばれた幕臣です。大聖寺には、ここに滞在した山岡鉄舟と高橋泥舟の書が残されています。

美しいニッポンのふるさと飯山を旅しよう。

春の菜の花、夏の森、秋の紅葉、冬の雪。

豊かな農作物に美味しいお水。そして何より、暖かい人。

寄ってかし! 飯山プラスラボ一同2020

取材・文:梶原千歳 

イラスト:阿竹奈々子


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